TMネットワークのセルフコントロール

 私の音楽の原体験といえばこの曲でした。たしか小6の頃、音楽番組『夜のヒットスタジオ』の予告編でサビ部分が数秒流れたとき、全身に電流が走るような衝撃を受けたのを覚えています。
 初めて買ったレコードはチェッカーズの『星屑のステージ』でしたが曲というよりグループが好きだったし、杏里が歌うアニメ『キャッツアイ』の主題歌にもぐっときてテレビの音声をカセットに録音したりしましたが、すぐ忘れました。しかし『SELF-CONTOROL』だけはしばらく脳内をループし、そのたび別世界へ飛ぶような快感を得ることができていました。
 のちに「当時、TM好きというとヲタクと思われそうでカミングアウトできなかった」という人もいたことを知るのですが、私は何も考えず、透明下敷きに光GENJIやミポリンの切り抜きを入れる友達と並んで堂々とウツの切り抜きを入れていたので、周りからもTMの切り抜きをたくさんもらえたりしていました(周囲には見事なほどにTMファンがいなかった。ちなみに中2になると、下敷きの中身はレッドウォリアーズ一色になりました)。
 しかし、この『SELF-CONTOROL』=自己制御。たしか当時の記事で小室哲哉さんが「『自己を制御から解き放て』というメッセージを逆説的なタイトルに込めた」といったことを読んだ記憶があります。
「教科書は何も教えてはくれない」「明日のことなど何もわからない」「思い切り泣いて思い切り笑って」「夢を取り戻せ」「君を取り戻せ」という歌詞は、奇しくもこの今の「風の時代」のテーマだとか、現在自分が仕事のメインテーマとしている精神世界系の分野でも多く語られる「『〜すべき』『〜ねばならない』という呪縛から自己を解き放ち、直感にしたがって生きていこう」というような生き抜く指針とも見事にリンクするなーと感じて、再び思い出せたことで勝手にうれしくなりました。小室みつ子さんの歌詞、本当に素晴らしい。苗字から小室哲哉さんとの関係性が気になり、雑誌などを読み漁って調べた思い出も。当時はネットがなかったので調べる大変さとワクワクがありました。
 ちなみにライター業を志したのは中2の頃で、きっかけは愛読していた音楽雑誌「PATIPATI」でTMやレッズや岡村靖幸などの人気アーティストを取材するライターの森田恭子さんに憧れたからです。
 当時の音楽ライターはすごくアーティストと近い距離にある感じで、森田さんはTVKの音楽番組の司会などもされており「ライターになれば私もアーティストと仲良くなれて楽しく仕事できる!」という妄想を描くことができたのでした。なってみたら実際、会いたい人に結構会えてたりもします。
 森田さんにはファンレターを書いたこともあり、近所の文具店で一番おしゃれに見えた、裏にパリの街角の写真がプリントされた便箋+透明封筒で透かして見せるレターセットを使いました(そういえば当時、山田詠美さんにもファンレターを書いていたな)。
 現在20年超続いているライター業ですが、ウツにインタビューできるまでは続けたいなーと密かに感じています(星野源かBTSでもいい)。
最近始めた絵手紙で描いてみた。